MizLinxが「TECH BEAT Shizuoka AWARD 2022」静岡県知事賞を受賞

株式会社MizLinx(ミズリンクス、本社:東京都千代田区、代表取締役:野城菜帆、以下MizLinx)は、TECH BEAT Shizuoka 実行委員会(実行委員長:中西勝則(株式会社静岡銀行 取締役会長))が開催する、静岡県内事業者とスタートアップとの共創の中から優れた事例を称揚する「TECH BEAT Shizuoka AWARD 2022・フードテックセッション」において、内浦漁業協同組合との取り組みである「沼津市内浦アジへい死原因究明プロジェクト」の事例をもって「静岡県知事賞」を受賞しましたので、お知らせいたします。

TECH BEAT Shizuoka AWARD 2022について
静岡県内企業とスタートアップとのビジネスマッチングイベント「TECH BEAT Shizuoka」を契機として、令和3年度に行われた共創プロジェクトの中から優れた事例を称揚する「TECH BEAT Shizuoka AWARD 2022」、および食に関する社会課題を先端テクノロジーで解決する「フードテック」に関するセッションをオンラインで開催します。

MizLinxと内浦漁業協同組合の協同プロジェクトについて
世界の養殖業は年々拡大を続け、今や世界の漁業・養殖業生産の半分以上を養殖魚が占めるなど、魚の養殖は存在感を増して注目されている中で、養殖における非常に深刻な問題の一つとして、生け簀内の養殖魚の大量へい死が挙げられます。

マアジの養殖として静岡県で唯一の海面養殖である沼津内浦地区養殖マアジは令和元年の全国養殖漁獲量の61%(513トン)、平成30年の全国産出額の71%(643百万円)を占める全国トップのシェアを誇っており 、沼津の特産物として関東方面を中心に出荷され高い評価を受けています。しかし近年、内浦の養殖マアジが大量へい死するという例が数多く報告されており、養殖業者のみならず地域資源・ブランドの死守の面からも原因の究明と対応策の導入は解決すべき喫緊の課題となっていました。

内浦ではへい死したマアジの多くが酸欠死と見られる状態であったことから、本プロジェクトでは貧酸素水塊(酸素濃度が低い海水)が生簀に流入することによって生じる酸欠がへい死発生の原因という仮説を立てました。そしてその検証のため、海流センサー・溶存酸素計・水温センサー・カメラを搭載した遠隔観測システムを養殖生簀に設置しました。このシステムでは、水温や溶存酸素など環境因子に加え、生簀内のマアジの挙動についてもモニタリングできます。このため、貧酸素水塊流入の検知のみならず、生簀内の酸素量と大量へい死発生の関連について明らかにすることが可能です。

また、本プロジェクトでは多くのマアジ養殖事業が展開する内浦湾全体の海底調査も実施し、内浦湾のどこで貧酸素水塊が発生しているのかを明らかにします。この結果と湾内の海流データと合わせることで内浦湾における貧酸素水塊の移動を分析し、養殖生簀におけるマアジの大量へい死発生を予測できるようにします。
このように本プロジェクトでは、得られた一連のデータの統合解析を実施することで内浦湾全体を養殖環境と捉えた環境モニタリングシステム構築につなげ、甚大な経済的損失を生じる養殖マアジ大量へい死の防止を目指します。本プロジェクトの成果が一事業者単位ではなく静岡県の養殖業、さらには同じへい死問題を抱える世界中の養殖業にもへい死問題解決の一助となればと考えています。

本プロジェクトは静岡県による「シーズ創出研究業務委託」事業として実施、㈱MizLinx、内浦漁業協同組合のほか慶応義塾大学(理工学部高橋研究室)、㈱ウィンディーネットワーク、静岡県水産・海洋技術研究所、(一財)マリンオープンイノベーション機構も参加しています。

MizLinxについて
MizLinxは、2021年8月に創業した海洋観測スタートアップです。これまで養殖業従事者が対応することが難しかった赤潮や台風、魚病などのリスクに対し、MizLinxは海洋観測システム「MizLinx Monitor」で海洋環境情報の計測・分析、海中モニタリングを行い、自然災害の予測や定性・定量データによる分析、対策を可能にします。